弾性範囲内でボルトを締め付けた時に、ボルトは引張られた状態になり、再び戻ろうとします。この反発力が軸力です。
軸力(部材への締付力)が入っていないと離間状態が発生し壊れ易い。
軸力(部材への締付力)が無いまたは、少ないと、滑りが発生し壊れ易い。
❑構造物・筐体用のボルト・ナット・リベット・他
❑せん断方向への使用法ーーー左右方向へ板が滑る荷重があるケース
条件によっては、繰返しの滑りが有り、部材・ボルトが壊れ易い場合がある。
構造体・筐体等を造る場合、軸力(締付力)や穴を埋める(ホールフィル)機能の有無に注意します。
軸力が初期に有っても、何年も軸力を保持する機構と成っているか、設計の方が判断されます。軸力の確認は必要か。
弛みに関しても、機構上、弛まない構造となっているか、どうか?分かるものを使用します。
ユンカース試験(軸力の変化を時間・サイクルで確認)や NAS3350 試験(弛みは目視確認法)等でご確認下さい。
リベットは簡単で使い易いので、安易に使用すると後で問題が出ます。 特に、ブラインド・リベットは慎重に選択します。。
形ある物を造る場合、接合部が必ず問題になります。1回だけ外力が働く場合は、まず強度さえあれば、問題になる事は少ないです。
しかし、人が使用するものは、かなり長い期間使用するものが多く、安全性の面から、長期に渡っての寿命を考える必要が有ります。
公共にて備えられるものは安全第一です。橋、電車、ビルなどは不特定多数の方が利用されます。古いビル、橋などはホットリベットがよく使われました。今でも地方に行くとホットリベットで造られた橋を見かけます。また、古い工場の鉄骨屋根トラスにも見る事があります。
このホットリベットは職人さんがチームを組んで、真っ赤に焼いたリベットを下から上の相方に投げ、受け取ったリベットを二人で、打ち込んでいました。このリベットは締付力が有ったかどうかは分かりませんが、少なくとも、鉄板の穴を埋めるには十分な機能が有りました。その証拠に何十年も前のリベットが飛んで橋が壊れた話は、少なくとも聞いたことは有りません。 まぁ、真っ赤になっていたリベットが冷えれば、多少なりとも縮んで軸力(締付力)が有ったかもしれません。
この様に接合部は安全の為に、必要な機能を持った部品・後方にて製作される必要があります。大丈夫だろう?!と、適当に判断しないで原理的に、その部品機能の説明・納得が出来ることが必要です。
上記に述べた様に、リベットとは本来、穴を埋めて支圧・せん断機能がリーマボルトの様に働くものです。昨今リベットは片側から打てる物をリベットと、間違った呼び方となってしまいました。ハトメの様なもので、多くはブラインドリベットは軸力(締付力)が明確ではありません。ブラインドリベットは実際にはある程度の締付力は残ってはいますが、下穴径・母材厚み・製品ロットで、その値の変化が大きく特定は困難である故に、カタログや資料には全く記載されていません。軸力(締付力)が原理的に発生させる機構を有するブラインドリベット、ブラインドボルトは一部のメーカーの製品のみで少数です。
機構的に、締結部品がどの様に軸力(締付力)を生み出し、どのように軸力を安定保持してるのか、各々のリベットを見て判断する事が現在、最終ユーザーに委ねられているのが現状です。各アプリーケーションに応じた締結品の選定指針の資料は無いと思われます。
これらの問題は今後、更に改善・開発されていく事と思います。
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