ボルトはナットを回転し、部材をボルト頭とナットで挟んで、締付けます(この時、ボルトはバネ・ゴムの様に伸びています。輪ゴムで紙を挟むのと同じです)。締付力(軸力)は、何の為に必要かと云うと、破壊に至らない、少なくとも、破壊までの寿命を延ばす為です。想像してみて下さい。扉が強いバネで引張られている場合、程度問題ですが、風で扉が”バタン・バタン”と言う事は有りません。このバタン・バタンが何年も繰り返されると、何処かが壊れる事は、容易に想像できるかと思います。風が吹いても扉が全く動かない状態であれば、何時までも扉は壊れないでしょう。これが、予加重(締付力)を加える理由です。
2板の板を締め付けた場合:締付力が不足した場合、二枚の板同士が繰返しガチャガチャ当たり、板が摩耗する・又は、何処かに傷が付く等、壊れやすくなります。外力が加わって、板にギャップが発生する状態では、扉の場合と同様に、早晩、破壊に至ります。締付力が大きい場合、締付力以下の外力では、破壊に至るまでには、かなりの差が出ます。
閑話休題
ボルトは締付けますと、部材が凹みボルトは伸びた状態となります。この状態で、均衡を保っています。
ボルトを緩めると部材は元の厚みに戻ります、正確には、若干、へこむ場合が多々あります。
下記は、ボルトに引張荷重を加えた時に、変化する応力-歪曲線の例です。
ボルトに掛かる加重は、比例限度(耐力)までの設計が好ましいとされます。
強度4.6クラスの場合、400N/㎜2強度、耐力はその60%⇒240N/㎜2:荷重はこの耐力以下での使用が好ましい
強度10.9の場合、1,040N/㎜2強度、耐力はその90%⇒940N/㎜2:荷重はこの耐力以下での使用が好ましい
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